木炭デッサンと油彩で描かれた人物画です。
まずは、1点目。
キリッとした表情が印象的なモデルさんの雰囲気をよく捉えております。
背景に関しても、説明的にならず室内の様子をうまく伝えていると思います。
木炭デッサンは細かい描写に向かない…と思われている方は意外に多いと思うのですが、
木炭をたっぷりと画面に乗せて、ガーゼや指や手の平を使って、
微妙に取り除きながらトーンを作っていくようにすると、かなり複雑な描写ができます。
Mさんの人物デッサンを観てみると、ちょっと使うべき木炭の量が少なかったかな…
という気が致します。
しかし、モデルさんを丁寧に観察し、
逃げずにしっかり描き切ってやろうという意気込みを感じるので、
良いデッサンだと思います。
2点目。
油絵具の使い方のバリエーションが豊富で、油彩のことがよく分かっていらっしゃいますね。
青と黄色のコントラストが綺麗で魅力的な作品です。
服や背景が単調にならないよう使用したデカルコマニーが、
画面にリズムを与えてくれています。
顔の表情は1点目同様、気合いを感じるのでとても良いと思うのですが、、
顔と同じくらい表情の出る部分として、
人物画では『手』もとても大切になってきます。
デッサンの方でもそうなのですが、
Mさんは手の描写が少し硬くなってしまっておりますでしょうか…
そこを改善できれば、もっともっと完成度が上がると思います。