Mさんの許可を頂きまして、当教室に入会されて初めて描かれたデッサンから4点を。
Mさんは、入会されてからまだ7ヶ月です。
作品は全て鉛筆デッサンですが、この成長ぶりをご覧頂けたら…と思いまして。

こちら↑が、入会されて描かれた初めてのデッサンです。
立方体の石膏と貝殻と石榴です。
形を捉えるバランス感覚はすでに備わっている感じでしたが、
それぞれのモチーフの質感まで…となると、まだ今ひとつというのは否めません。
いやいや、しかし、これが初めてのデッサンですから、
ここまで出来たら充分なのは言うまでもないのですが。

こちら↑が2点目。
水差し、アメリカンチェリー、霧吹きを描きました。
少し余裕が感じられ、形だけでなく構図にも気を配っていけておりますね。
それぞれのモチーフの色や質感、台に落ちている影までもしっかり観察できております。
ひとつひとつの物が “同一平面上にあるように見える” というのは、
形がしっかり取れていないことにはあり得ないので、
Mさんにはこの時点ですでに、しっかりした観察力があるという証だと思います。

↑3点目。
深いブルーの一輪挿しに白いバラとレモンです。
Mさんは、バラの花びらの描写に苦労されておりましたが、
一輪挿しや葉っぱとのコントラストを上手に使って、
白いバラを明るい中でしっかりと描くことに成功しております。
レモンの輪郭線がやや単調な気がしますが…
これが3枚目としたら、充分素晴らしいデッサンです。

↑4点目です。
暗めのブルーの布の上に頭蓋骨とワイングラスです。
形に関しては、最初から上手に捉えることができたMさんですが、
それにもさらに磨きがかかってきております。
頭蓋骨は、ともすれば安易な球体に陥ってしまうのですが、
頭頂部の微妙な形の変化にもしっかりと対応できております。
ワイングラスの透明感やハイライトに、いい緊張感を感じます。
素晴らしい完成度だと思います!
今後の作品がますます楽しみなMさんです。